We will celebrate a new year. その後





モチノキ神社側の公園で。

「明けましておめでとう、恵さん、ティオ。」
「今年もよろしくね。わっ、二人とも似合ってるわ。格好いいわよ、ねっティオ?」
「う、うん・・・清麿、よく似合ってるわ。・・・ガ、ガッシュは、どうでも良いけど・・・。」
普段とは違う、羽織袴姿のガッシュに見惚れかけたティオが、慌てて視線を逸らした。
「ヌオーッ、そんなこと言うとは酷いのだ!
・・・だ、だが、ティオと恵も、その服とても似合っているのだ。」
「・・・ほっ、本当?」
桜色に白と金の鞠をあしらった、可憐な振袖に身を包んだティオが、みるみる頬を染めた。
「ウヌ。私はウソなど言ったりはしないのだ。」
「えへへ・・・。」
「良かったわね、ティオ。」
一方、恵の振袖は緋色の生地に虹色に輝く蝶が描かれた、華やかなものであった。
髪を結い上げた恵は、普段の明るく活発なイメージとは違い、たおやかに微笑んでいる。
「め、恵さんも・・・着物、似合うよ。」
「ありがとう、清麿君。思い切って着てみて良かったわ。」
「俺も・・・あんまりこういうの着たこと無いから、最初は渋ってたんだけど。」
「ふふ、私もよ。」
「きーよーまーろー!!」
清麿と恵が談笑しているところへ、ガッシュが神社へ向かって指を指した。
ガッシュの隣に並ぶティオも、もう待ちきれないと言いたげにそわそわしている。
「ねえねえ、恵、清麿。早く初詣に行きましょうよ!
私ずーっと初詣、楽しみにしてたんだから!」
「ウヌゥ、私もなのだ!早く神社に出発するのだ!」
「あぁ、そうだな。」
「じゃぁ、行きましょ。」
4名が神社に向かって歩き始めたその時。




「ハハハ、待て待て〜い!!」

どこからともなく、聞き慣れた声。
本来、この時期にこの場所で聞く事はあり得ない・・・はずの声。



「イタ〜リアの英雄、パルコ・フォルゴレ、参上!!」
「そして無敵の、キャンチョメ様だぞぅ〜!」


(・・・・・何故、ここにいる・・・・・?)
4名とも、真っ先に考えたことは同じだった。


モチノキ第2公園の大樹の陰から現れたのは、紛れもなく、
イタリアにいるはずのキャンチョメとパルコ・フォルゴレであった。

「えーと、日本語では確か・・・『明けましてめでたいな』、だったかな?」
「明けましてめでたいな〜!」
「・・・って、何で日本にいるんだお前ら!!?」
「ハハハハハ!!イタリアの英雄に不可能は無いのさ〜!!」
「理由になってないだろ!!」
「お忍びでみんなに会いに来たんじゃないか。もっと感動してくれても良いだろう?」
「だれが、するかっ!!?」
「お〜やおや、つれないなぁ、清麿。
せっかくみんなを喜ばせようと、はるばるイタリアからやって来たのに。」
「お前、単に目立ちたいだけだろ・・・。」
「何を言うんだい?私はスーパースターだから、嫌でも目立ってしまうのさぁ!」
「そんな格好してたら、嫌でも目立つだろーが!!」
新年早々、漫才コンビ、炸裂。

・・・フォルゴレの服装は、さながらステージ衣装のように派手だ。
どれくらい派手かというと・・・とにかく、派手なのである・・・。



すると・・・。
「ははは、新年早々楽しくて良いじゃないか。」
「その通りあるよ。新しい年は楽しく迎えるのが良いあるね。」
今度は、フォルゴレとは違う声が。
「こ、今度は・・・?」
軽い頭痛と目眩を覚える清麿。



「ハハハ、私の名前はナゾナゾ博士。何でも知ってる不思議な博士さ!」
「みんな、明けましておめでとう〜!!」
「今年もよろしくお願いするあるよ〜。」
「明けまして、おめでとう。」
キャンチョメ&フォルゴレ組が登場した場所と同じ木陰から、
今度はキッド&ナゾナゾ博士組とウォンレイ&リィエン組が姿を現した。
「・・・な、何で・・・ここに・・・?」
フォルゴレとの漫才で気力を使い果たしたらしい清麿は、
もはや手厳しく突っ込む気になれなかったらしい。
「せっかくのめでたい日だ。みんなで集まった方が楽しいと思ったから、
フォルゴレ君達やリィエン君達を連れて来たのだよ。」
「さすがは博士だよね〜。」
ナゾナゾ博士の肩にちょこんと座ったキッドは、自分のことのように誇らしげに笑っている。
「せっかくだから、日本の正月を満喫するあるよ!
日本の正月料理や観光名所を回るある。楽しみあるよ・・・。」
「そうだな。滅多にない機会だし、楽しませてもらうよ。」
ウォンレイ&リィエンは既に観光客気分らしい。
握りこぶしを固めて意欲満々のリィエンと、その姿を優しく見守るウォンレイ。


「・・・・・・・・はぁ。わかったよ。こうなったら、みんなで初詣に行こう。」
予期せぬゲストの登場にすっかり疲れ果てた清麿ではあったが、
とにかく、本来の目的を果たそうと思い直した。
「わ〜い、初詣初詣〜。」
初詣の意味はよくわかっていないらしいが、キャンチョメは嬉しそうだ。
「みんな、はぐれるなよ。勝手な行動はとるんじゃないぞ。」
「ハハハ、大丈夫だって。全く、清麿は心配性だなぁ。」
「お前が一番危ないんだよ!!」
漫才コンビ、再び。

「博士、初詣って何するの?」
「今年一年の健康や受験合格などを、お金を奉納して神様にお願いするんだよ。」
「ほう・・・のう?」
「簡単に言えば、神様にお金を捧げることだよ。」
「ふぅん、神様にお金払うんだ〜。」
「願い事一つにつき、一万円払わなくてはいけないんだよ。」
「本当?」
「ウ・ソ。」


「今日という日を、楽しみにしていたのよ。あぁ、待ち遠しいわ。」
「ふふ、ティオは何をお願いするの?」
「ん〜、秘密。」
「あら、そう?じゃ、私も秘密にしようかな。」
「だって、願い事って、言葉にしたら叶わないような気がするんだもん。」


「・・・全く、何でこうなるんだか・・・。」
肩を竦めて見せたが、清麿の表情は意外に明るい。
「清麿、私たちも早く願い事をするのだ。」
「あぁ、そうだな。行くぞガッシュ。」
「ウヌ!」
清麿はガッシュの肩をぽんとたたき、神社に向かって歩き出した。



2004年も、良い年でありますように。



End


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