12:オレンジジュース
「博士、また僕にウソついたでしょ・・・・・?」
太陽が徐々に傾きかける時間帯。
長い間探し続けて、ようやく見つけ出したパートナーの第一声がこれだ。
しかも、ふくれっ面のおまけ付き。
ナゾナゾ博士は引きつった笑みを浮かべるしかなかった。
”悪しき力”に対抗するべく、共に力を合わせて戦ってくれる仲間を捜すために始めた旅。
魔物の子ガッシュ・ベルとその本の持ち主である高嶺清麿との熾烈な戦いは、
ガッシュ&清麿組の逆転勝利で幕を閉じた。
戦いの最中に発動した新呪文で、2人は見事に勝利を得たのだ。
ナゾナゾ博士とキッドの戦いは、ガッシュ&清麿組の潜在能力を引き出した。
まるで、共に戦うであろう同士を育てるかのように。
「おぉ、ここにいたのかキッド。なかなか見つからないので心配したぞ。」
ナゾナゾ博士は気を取り直して穏やかに笑ってみせるが、キッドはふくれっ面のままだ。
「ウソツキ。・・・楽しみにしてたのに。」
「何をだね?」
「・・・光るオレンジジュース・・・・・。」
「・・・あ・・・。」
「ガッシュの鼻から出てくるって、言ったのに・・・・・。楽しみにしてたんだから。」
「ハハハ、そうか。それは悪かったな。」
「・・・・・いいよ、もう。博士のウソは今始まった事じゃないからね。」
キッドは、指定席である博士の肩にちょこんと飛び乗った。
ぷうと膨れていた頬が元に戻る。
「僕たち、負けちゃったね・・・。」
「ああ、そうだな。我々も、もっと精進しなければならないな。」
「うん。ガッシュがあれだけ強くなったんだから、僕も頑張ってもっと強くならなくちゃね。」
学帽越しにキッドの頭を撫でる。
「その通り。その気持ちを忘れるでないぞ、キッド。」
「うん。わかったよ博士。」
ようやく、キッドの表情に笑顔が戻った。
博士もつられて笑みを返す。
「さて、明日は一日ゆっくり休んで、次の魔物を捜すとしよう。」
「うんっ!」
「ではホテルに戻って、光るオレンジジュースでも飲むとするか。」
「えっ、ホテルにあったの?光るオレンジジュースが!?」
「ホテルのラウンジで飲む、光るオレンジジュースは格別だよ。」
「本当?」
期待に瞳を輝かせるキッド。
それに対する博士の返答は一つ。
「ウ・ソ。」
END