19:否む





「嫌よ嫌、ぜ〜ったいにイヤッ!!」
「ワガママなやつだな・・・。」
「はぁ・・・また始まったよ・・・。」

世界を破滅へと導かんと目論むジェミナイの野望を阻止するため、
旅を続けるネイティオ、ゴリガン、レオ、セレナの4名(?)。

久しぶりに立ち寄った王都マルセスブルクで、同盟戦の練習を兼ねて
対戦を始めようとした時。
組み合わせが決まった時点で、突然セレナが抗議を始めた。


「セレナよ、一度決まったことを覆すでないぞ。」
猛然と抗議するセレナを宥めようとするゴリガンであったが、
セレナにキッと睨まれて、やれやれと口を閉ざした。
「だって!同盟戦の練習では、私まだ一度もネイティオと組んでないのよ!
しかも、レオはもう何度もネイティオと組んでいるのに、
今回もまた組むなんて・・・ずるいわっ!!」
「仕方ないだろう?恨みっこ無しにするために、ホーリーワード6・Xのカード合わせで
組み合わせを決めることにしたんじゃないか?諦めろ。」
ひらひらとホーリーワードXのカードをかざして、レオがあしらう。
ホーリーワードXを引いたのはレオとネイティオで、ゴリガンとセレナが
ホーリーワード6を引いたので、同じカード同士で同盟を組むことになるはずだった。
「それはそうだけど・・・何か不公平よ!」
釈然としないセレナが、今度はネイティオに向き直る。
「ねえ!良いでしょ、ネイティオ?
私だって一度くらいはネイティオと組んで対戦したいのよ!」
縋るような視線で訴えられて、ネイティオは返答に困る。
「ん〜・・・けどなぁ・・・。」
「お願いよ、ネイティオ!!今回だけだから。
次からはもうワガママ言わないわ。お願いっ!!」
諦めないセレナから視線を外し、腕を組んで考え込むネイティオ。

正直な話、ネイティオはセレナと同盟を組むのは気が進まなかった。
セレナは、多少我が儘ではあるが、明るく前向きな性格で、可愛いと思ってはいる。
しかし、対戦となると話は別だ。

これまでセレナと何度か対戦してきて、彼女の傾向・好みがわかってきた。
基本的に火・地属性の土地以外は興味を示さず、戦闘も滅多に仕掛けない。
もちろん、自分が勝てると見込んだ時は闘うが、彼女自身詰めが甘いのか、
返り討ちに遭うことが少なくないのだ。
一度セレナと組んで、予言者の神殿で、賞金稼ぎのライバーン&盗賊のザゴル組と
同盟戦を闘ったことがある。
この時は、終始ネイティオはセレナのサポートに回った。
ライバーン&ザゴルを阻止するべく、妨害スペルを使いまくり、
また土地の防衛に向かないセレナのクリーチャーをスペルでサポートした。
よって、ネイティオはこの時、自分のクリーチャーを土地に全く配置できなかった。
結果としてはセレナの一人勝ち状態だったが、ネイティオは心身共に疲れ果て、
出来る限りセレナとは組みたくない、とまで思うようになってしまった。
だから、同盟戦の練習で、一度もセレナと組むことが無かったのは、
ネイティオとしてはラッキーだったのだが。
今の様子では、何を言ってもセレナは絶対に退かないだろう。
深い溜め息を一つついて、ネイティオはとうとう覚悟を決めた。
「しょうがないなぁ・・・。わかったよ。今回だけはセレナと組もう。それで良いかい?」
「本当!?ネイティオ!?」
セレナがぱあっと顔を輝かせる。
「ネイティオ殿がそう言うのであれば・・・仕方ありませんな。」
「今回だけだぞ、セレナ。」
ゴリガンとレオは、ネイティオに従うことにしたらしい。
「ありがとう、みんな!
ネイティオ、力を合わせて頑張りましょ!」
「・・・・・あ、ああ・・・。」
嫌な予感が全身を駆けめぐり、ネイティオは今一度溜め息を零した。


「さ〜て、誰が止まってくれるかな〜?」
セレナは、グラディエーターを配置した土地をレベル4にまで引き上げた。
グラディエーターは、武器は使えるが防具やアイテムを使えないため、
防御には向かないクリーチャーである。
(また始まったよ・・・。)
ぐったりと疲れた表情で、手札からターンウォールのカードを抜き取る。
(グラディエーターは侵略専門のクリーチャーなんだから、
せめてケットシーに取り替えてくれよ・・・。)
ネイティオのターン。
ターンウォールを使って、グラディエーターを防御型クリーチャー・
ピラーフレイムに変化させる。

セレナの目の前に、レオの高額領地が待ちかまえている。
(あそこを踏まれるのはヤバイからなー・・・。)
高速移動のスペルをセレナにかけて、難を逃れさせる。

「まだ油断しちゃ駄目よ、ネイティオ。」
(・・・お前もな・・・!!)
ネイティオは今日何度目かの溜め息をついた。


対戦の結果、辛うじてネイティオ&セレナ組は勝利を収めた。
「楽しかったわ、ネイティオ。また一緒に組みましょうね!!」
にこにこと笑顔を振りまくセレナに対し、
ネイティオは乾いた笑いしか返せなかった。

(もう・・・セレナと組むのは嫌だ・・・!!!)



END


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