ようこそ、劇場へ!番外変(幻想水滸伝3)





「絶対に無理ですってば!」
「大丈夫ですよ城主殿。ジャックやヒューゴ、ルイスにだって出来るのですから、
あなたに出来ないはずがない。」
「そ・・・そういう問題じゃないですよ!!」

劇団・炎の運び手の本拠地とも言える劇場兼酒場で、プレアデス城の若き城主トーマスと、
「誉れ高きゼクセンの六騎士」の一人パーシヴァルの口論という、珍しい光景を見ることが出来る。


「おーい、痴話げんかもそこまでにしとけよ。」
「な・・・何言ってるんですか軍曹さん!?」
椅子に腰掛けたままひらひらと手を振るジョー軍曹。
一方のトーマスは真っ赤になって猛抗議している。
「パーシヴァルも、いい加減諦めたらどうだ?」
「お言葉ですがクリス様・・・、今回は二度と無いかもしれない好機なのですよ。」
呆れたように諫めるクリスに対し、丁寧な口調ながらクリスの言葉を全く受け入れようとしないパーシヴァル。
「あの・・・皆さん。そろそろ本題に戻りたいのですが・・・。」
仮面の下の素顔に、恐らく冷や汗を滲ませているであろうナディールが割って入ろうとするが、
この事態は一向に治まる気配を見せない。
「困りました・・・キャストが決まらないと、先に進めないのですがね・・・。」
「・・・・・俺は帰って良いか?」
ぼそり、と炎の英雄・ゲドが呟いた。


「な、何度話せばわかってもらえるんですか?僕には無理だと、言っているじゃありませんか!!」
「そんなことはありませんよ。一度だけで良いのです。どうか私のために、お願いします。」
「だーかーらー、ぜっっっっっったいに嫌ですっ!!!」


トーマスの手には、無情にも台本が握りつぶされていた。
彼にとっては、心底嫌なこと・・・らしい。


・・・・・・・ジュリエット役が。



End


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