チキンラーメンバンザイ(鉄人28号)





「・・・なにこれ・・・?」

差し出された丼を、目を丸くして見つめる。
そこには、見慣れない麺とスープが湯気を立てて収まっていた。

「・・・・・・っはー、これだからお坊ちゃんは嫌だねぇ・・・。」
やれやれ・・・と言いたげに肩を竦めるが、とりあえず割り箸を手渡す。
こんなモンはお口に合いませんかねぇ・・・・などと皮肉の一つや二つ言ってやろうかとも思ったが、
正太郎がまじまじと丼を見つめているので、ちょっと様子を見ることにした。
高熱を出した後だから、食欲が無いのかもしれないし・・・。
いや、それより病み上がりに即席麺はまずかったか・・・?
村雨がぐるぐると考えを巡らせている間、正太郎は依然として丼から目を離さなかった。

・・・麺のようだけど・・・?こんなの見たこと無いな。
でも、何かいい匂いがする・・・。

スープの匂いに誘われるように、箸を割って、恐る恐る口にしてみる。
火傷しないように、気を配りながら。


「・・・おいしい・・・。」
思わず、口をついて出た言葉。
きっとお腹が空いていたから・・・だけではないだろう。
「おっ、そうか?そいつは良かった。」
正太郎がチキンラーメンを食べる様子をハラハラしながら見ていた村雨だったが、ホッと胸をなで下ろした。
「病み上がりなんだから、しっかり食えよ。」
「はいっ。」
正太郎の頭を軽く撫で、村雨もラーメンを食べ始める。
くすぐったそうに目を細め、正太郎もまた丼に向き直る。
冷え切った心と身体が、ぽかぽかと温まってくるような気がした。


この日以来、正太郎にとって、チキンラーメンは好きな食べ物の一つとなった。



後日。

「村雨さん、チキンラーメン食べたいです。」
「お前なぁ・・・俺に会う度チキンラーメンねだるんじゃねぇよ・・・。」



End


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