3.長い夜(カルド1:ネイティオ&ゴリガン+ゼネス)





「今日は災難でしたな、ネイティオ殿。」
「うーん・・・災難って程でもないけど。
これから、ああいったセプター達と戦う事になるんだろう?」
「まあ、そう言う事です。
あなた様にはこの世界を救って頂くために、セプターの頂点に立って頂かなければなりませぬ。」
「世界を、救う・・・ね。」
宿屋の窓から煌々と輝く街の灯りを眺めながら、他人事のようにネイティオは呟いた。


城砦都市ロカ。
突然、『世界を救って欲しい』という言葉と共にネイティオの前に現れた喋る杖・・・
アーティファクトのゴリガンと旅を始め、最初にたどり着いた土地で、
ネイティオは竜眼の男に勝負を挑まれた。
結果はネイティオの逆転勝ちだったが、己の腕に絶対的な自信を持っていたゼネスは、
『次こそ貴様を倒してやる!』の捨て台詞を残して風のように消え去った。
ゼネスとの戦いは、空が淡いオレンジ色に染まり始めた頃に始まったので、
結局ネイティオとゴリガンは戦いの後、ロカに一泊する事となった。

窓から離れ、ベッドの上に腰を下ろす。
ふかふかした新品の布団。洗い立ての清潔なシーツの匂い。
ネイティオは荷物の中から一冊の本を取り出し、ぱらぱらとページをめくる。
「あの人・・・ゼネスって言ったっけ?結構強かったね。」
「でも、ネイティオ殿の敵ではありませんでしたぞ。」
「んー・・・でも、そのゼネスっていう人とはまた戦う事になるんじゃないかな。」
「な、なんと・・・・・・!
あのような邪悪な考えを持つ者に、ネイティオ殿の邪魔をされる訳にはまいりませぬ!」
「まあ、次に会った時も正々堂々と戦うしかないけどね。」
「お気を付けなされ、ネイティオ殿。」
「・・・わかった。気を付けるよ。」
どこかのほほんとした口調に、ゴリガンは不安が募った。
「・・・ネイティオ殿・・・?」
既に、ネイティオは本に集中している。
こうなるといくら話しかけても無駄である事を、
ゴリガンはネイティオと出会ったその日に思い知らされた。
「・・・ネイティオ殿〜・・・・・。」
一人取り残されたような気分になって、泣きそうな声をゴリガンは上げる。
しかし、結局ネイティオは読書が終わるまで視線を上げる事は無かった・・・。



一方。

「くそっ!この俺様が、あんなボーっとした奴に負けるとは!!」
握りこぶしを固め、怒りに震える男。竜眼のゼネス。
彼は城砦都市の果て、都市を守る砦に腰を下ろしていた。
漆黒の闇に紛れて、その姿は解り辛いが・・・。
「このままですむと思うなよ!貴様より強いカードを手に入れ、次こそは勝つ!!」
一方的にライバル宣言した相手に向かって・・・とはいえ、今はその姿が見えないのだが、
ゼネスは怒りのままに叫んだ。
「ネイティオ!次に会った時こそ、貴様の最期と思え!!」


ここから、2人(?)ともう1人の、長い長い旅が始まる・・・。



End


タイトルは、5titles様からお借りしました。


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