ためいき(カルド2:&ネイティオ)





「・・・なぁ。お前達、もうちっとだけ仲良くできないか?」

「だってレオがっ!」
「いいや、ゴリガンが!」
「私は悪くないですぞ!!」

誰一人、自分から折れようとはしない。
ネイティオは腕を組んで深い溜息を一つついた。

「・・・・・何だかなぁ・・・。」


元々は、気ままな1人旅だった。
故郷である小さな国では、もう自分より強いセプターはいない。
腕試しとカードコンプリート、そしてもう一つの目的を持って故郷を旅立ったのは、
もうずいぶん昔の事のように思い出される。
旅の途中でゴリガンに腕を見込まれ、セレナと知り合い、レオと出会った。
しかし、まさか4人で旅をすることになるとは、夢にも思っていなかった。
旅は道連れ・・・とい言葉があるが、まぁ賑やかなのも楽しくて良いか・・・などと考えたのは、
最初のうちだけだった。

とにかく、このメンバーは口論が絶えない。
・・大人気無い口げんか、と言われてしまえばそれまでだが・・・・・。

道が3通りに分かれているとすれば、
セレナが「右」と言えば、レオは「左」と言い、ゴリガンは「まっすぐ」。
一事が万事、そういう調子なのだ。
ネイティオは最初の頃、何とかみんなを宥めながら旅を進めていたが、
どこまでも意見が合わない3人を相手にする事に、段々疲れ始めてきた。
最後の切り札「もうついてこなくていい。」の言葉を、何度口にしかけたかわからない。
しかし、その言葉は決して最後まで口にしてはいけないとわかっているからこそ、
これまで耐えてきたのだ。
彼らがいるから、「復讐」という最後の目的に囚われる事無くここまで来る事ができた。
確かにケンカばかりしてはいるが、神であるゴリガンを除けばみんな年齢が近いせいか、
すぐ打ち解ける事ができた。
彼らがいる事で、自分自身の暗い感情を押し止める事ができた。

いつまでもこのままではいられない事はわかっている。
役目を果たせば、ゴリガンは自分の世界に帰る。
セレナもレオも、自分だっていつかは故郷に帰るのだから。
経緯はどうであれ、こうして笑ってケンカしながら旅ができる”今、この時”を
大切にした方が良いのだろう。

わかっている。わかってはいるのだが・・・・・。

「おーい、お前ら・・・いい加減にしておけよー・・・・・。」
本日何度目かの溜息とともに、ネイティオが3人の中に割って入ろうとしたが、
互いの主張に熱くなり過ぎている3人を止めるのは極めて難しい。
結局、ほとぼりが冷めるまで待つしかない。

「だーかーらー、レオがマジックボルトなんか使わなかったら、私が勝っていたのよ!」
「俺のせいか!?お前のドワーフにイビルブラストでとどめを刺したのはゴリガンだろうが!!」
「当たり前ですぞ!あんな危険な高額領地、放っておく訳にはまいりませんぞ!!」


・・・何も、対戦の事でケンカしなくても良いだろう・・・。

「・・・もう、切り札、使っちゃおっかなー・・・。」
ネイティオの呟きは、当然ながら3人に届く事は無かった・・・・・。



End


タイトルは 「実験的お題の箱庭。」 様からお借りしました。


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